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6月1日 丹波オーガニックファーム 案内ツアー 報告

2022年6月1日(水)、バリューチェーン事業をこれから運営するにあたり、当事業構成員と、さらに東京で活躍されているフードビジネスプロデューサーの石川史子さん、大阪ヒルトン購買部の方をお連れしさんに、丹波オーファニックファーム案内ミニツアーを行いました。

1.オリエンテーション

構成員であり、有機JAS検査員/ IFORM(世界有機農業連盟)アジア理事である、丹波市柏原に移住された「ORGANIC HOUSE」を運営する福井佑実子さんに、丹波エリアの有機農業の概要と、本日のツアー内容・知ってほしいこと、また、IFORMによる有機農業の原理についてレクチャーいただきました。農薬・化学肥料不使用=有機農業といった狭い観点ではなく、「生態系」「健康」「公正」「配慮」の原理をもって有機農業を捉える視点を教えていただきました。

2. 丹波篠山市 株式会社YAGATE へ
食べれるバラに価値を見出し、有機認証を取得し有機ローズを生産されているYAGATEさん。
観賞用のバラは通常は殺虫剤を何度も使用し、傷や虫食い一つない容姿を求めますが、YAGATEさんは防除せずともきれいな花弁や葉で、いきいきと、個性豊かに、また芳香もよく咲き誇っていました。健全に育つローズたちは、やはりYAGATEさんの優れた有機栽培技術の高さにあるのでしょう。
生花としての卸、また買い手自ら摘み取りにきてもらったり、ほか満開に近づいた規格外になったローズや小粒のローズは、有機ドライローズやローズパウダーとして加工されます。

その後は、YAGATEさんのできたてほやほやの有機JAS認証取得の加工所へ。HACCPにも対応し、大手バイヤーの需要に応える衛生管理や品質管理、そして有機JAS規格にもクリアする加工所として、さまざまな配慮とこだわりのみられる設備がつくられており、今後の展開についても教えてもらいました。

その後、丹波市の橋本有機農園へ。
実践するのは有畜循環型の有機農業 。畑から車で5分ほどの所にある 鶏舎で約200羽のニワトリを平飼いし、その堆肥で農産物を育てておられます。 ニワトリは野草を餌に育ち、その糞尿 は土の中で虫や微生物によって分解れ良質の堆肥となるのです。「キャベツ の外葉など名無駄にせず与えます」 と橋本さん。野生の草や家畜の糞尿、 農産物の残りなど、地域の有機物資 源が全て堆肥となり、抵抗力のあるいい 土壌をつくることにつながっています。

 

そして最後に、婦木農場さんへ。
フードビジネスプロデューサー石川さんのお話をお聞きしました!

〜〜石川史子さんのレポートより〜〜

有機農業経営者の多い「丹波」へ勉強と交流、そして講師として行ってきました❣️

IFOAMアジア福井 佑実子さんと周りの皆さん活動はまさにオーガニック。行動力と企画力、周りの方々の素晴らしい情熱に感謝・感動の2日間でした。平飼い卵、合鴨農法の水田、オーガニックローズ、蜂蜜、有機小麦、野菜の見学、試食。
そして農泊のできる婦木農場さんで勉強会。

日本ではまだ意識が低いものの、外資系ホテルではサスティナブルな(エシカルな)購買基準があり、国内のヒルトンホテルの中でもリーダー的存在のHilton大阪の森さんを交えながら、有機農作物生産者と、ホテルが一緒に考えながら、共に良い方向へ歩んでいるプロセスについてお話をさせていただきました。

農水省が平成3年に発表した「みどりの食料システム戦略」では2050年までに目指す姿として、耕地面積に占める有機農業の取り組み面積割合を25%(100万ha)に拡大することが書かれています。これは世界標準なので、日本だけではありません。しかし、日本の現状は0.2%なので、かなり程遠い数字です。

私がこの地域に注目したのは、丹波市農の学校で新規就農者を育て、国産有機農産物等バリューチェーン構築推進事業で仲間を増やし、そしてIFOAM(国際有機農業運動連盟)の活動を通じて世界と足並みを揃えながら、アカデミックな活動と農業を両立している人たちがいるのです。

生産者と消費者、加工事業者、流通、小売がしっかりとコミュニケーションができていて、素晴らしい活動がスタートしています。この事業は丹波限定では無いので、私と繋がっているオーガニック生産者さん、料理人、ホテルの皆さまと一緒に盛り上げて行きたいと思います。ご協力をよろしくお願いします!