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Case Studies

取組事例集

(一社)京都オーガニックアクション

【基本情報】
*京都府内50件の有機生産者と20件の八百屋や関係者がネットワークされた団体*50件の生産者のうち有機JAS生産者は5件
*代表:鈴木健太郎  理事:八百屋2名、生産者2名 ほかイベントメンバー
*KOA便売り上げ:月約350万円(1便につき平均100個のコンテナ配送)(売り上げのうち15%がKOA便手数料)
*https://kyotoorganicaction.com

【取組内容】
*KOA(コア)便
京都オーガニックアクションは2017年の夏に、複数の八百屋と農家が関わる共同物流便事業(KOA便)として始まりました。 オーガニック農業には、市場や農協のように、生産から流通までを一括で管理するようなインフラが存在しません。あくまでも個々の生産者が、個々に売り先を開拓するような業界です。逆に、小売店側(八百屋やスーパー)も、オーガニックの農産物はほとんど市場に流通していないため、個別に生産者を探して、買い付けを行う必要があります。
KOA便では、一般社団法人次代の農と食をつくる会と株式会社坂ノ途中が管理運営しているfarmOというシステムをオンライン受発注ツールとして活用し、複数の小売店と生産者が直接取引ができる仕組みを運用。farmOで取引が成立した野菜は、地域ごとの「集荷ステーション」に集めてもらい、2tトラックで週4回これらの集荷ステーションを回って農産物を集荷し、各小売店に配送。KOA便とは要するに、京都市から京丹後までの間で生産されたオーガニック農産物を一括で集荷して配送する市場のような機能を持った共同物流便。小売店が地域のオーガニックをよりスムーズに仕入れられる仕組みを作ることで、普段の買い物の選択肢としてLocal で Organicを選んでもらえる機会を増やすのが狙い。具体的には、KOA便としては、買い手(八百屋側)から10%、売り手(生産者)から5%の売り上げ手数料をもらい、KOA便を維持している。

【KOA便のポイント】
*ハブとしての調整機能
*トラック荷物を最大限積載し、買い手に運ぶロジスティックスをつねに調整
*生産者が多くいるエリアなどに便を延伸しながら同時に買い手も開拓する努力。

【団体としての強み・特徴】
*明確なビジョンをもち、オープンマインドで前向き
*食べる人(消費者)にも活動を知ってもらい共感者を増やし、食べる人を増やす。

【きっかけ・経緯】
*2017年発足。「百姓一揆」という農家や八百屋などが集まる飲み会がきっかけ。その時に農家と八百屋が連携して、一緒にひとつの物流便をつくることが必要ではないかと模索をはじめる。
*2018年〜2021年 京都オーガニックアクション協議会として、農省補助事業も活用しながら、〔共同物流便(受発注システムとロジスティックス整備)〕〔ネットワーク内の情報/意見交換、共有化〕〔栽培技術勉強会〕〔イベント出展などでの活動PR、ネットワークづくり〕などをおこなった。
*2022年一般社団法人化

【オーガニックへの思い・こだわり】
Ecological Thinking
人間社会の「農と食」を支える自然環境の大切さを認識し、日々の生業の中で可能な限り環境負荷を減らす努力をすること。

For the Future
目の前の利益よりも次世代に繋ぐべき将来社会全体の利益を先に考えること。
Diverse Society
立場や考えの違う他者との関係をあきらめず、対話を通して理解し合えるよう努め、多様性を許容できる社会を目指すこと。

Urban/Rural Balance
都市と農村、それぞれが抱える課題を認識し、相互補完的な取り組みを通じて持続可能な地域社会を目指して挑戦し続けること。
Alternative Food Network
農産物の生産、流通、消費の在り方を、既存の仕組みに縛られず、IT技術や新しい発想を取り入れながら、より健全な「食と農」の在り方を常に模索し続けること。
Possibilities of Agri-culture
農業の価値を食糧生産に限定せず、その多面的な機能を認識し、その社会的、ビジネス的可能性を模索し続けること。