ORGANIC HOUSE

ORGANIC HOUSE
〒669-3309 兵庫県丹波市柏原町柏原90
event@enjoy.organic

  都市と農村をつなぐORGANIC HOUSE
ORGANIC HOUSEは株式会社プラスリジョンが2019年に有機の里と呼ばれる兵庫県丹波市に開いた拠点です。伝統的な日本家屋にはシェアスペースと食品営業許可を取得した小さな加工スペース、そしてピクニックスペースと菜園スペースを備えた梅林が近くにあります。周辺には活動をともにする有機農家たちと様々な農産物を育む彼らの田んぼや畑が点在しています。本格的に都市と農村をむすぶ活動拠点として稼働させようとした矢先に新型コロナウィルス感染症による海外との渡航制限や国内の行動制限により計画は大きく頓挫してしまいましたが、コロナ禍にシェフやパティシエなどが訪れ、農村部の隠れた特産で商品を開発するという試行がORGANIC HOUSEを通じて実現しました。

生産性と効率を追い求めたビジネスモデル
ORGANIC HOUSEを運営する株式会社プラスリジョンは2008年の設立前から兵庫県丹波市の有機農家たちとつながりがありました。2004年に福祉事業所、有機農家、料理研究家など専門家たちとともに今でいう農福連携を形にしました。有機農家から直送される有機農産物や平飼い卵などを使い、料理研究家と管理栄養士が考案した彩り豊かでかつ塩分を抑えた野菜弁当宅配事業では、完全受注生産による食材廃棄率ゼロ商品を製造するのは当時社会参画が難しいと言われた発達障害など障害のある人たちでした。HACCP（Hazard Analysis and Critical Control Point：危害要因分析重要管理点）とTEACCH（Treatment and Education of Autistic and related Communication handicapped Children：自閉症及び関連するコミュニケーション障がいをもつ子どもたちのための治療と教育プログラム）の知見を現場に落とし込み品質管理レベルの高い現場をつくりました。つくる人、届ける人、食べる人、みなが等しく恩恵を受けるビジネスモデルを多様な専門家とともに形にしたものでした。その後も、淡路島の有機玉ねぎを使った「オニオンキャラメリゼ」レトルト加工品を開発し、百貨店、専門店、クッキングスクールなど一般食品流通での販売を実現させ、その他側面支援したもの含め多様な商品開発、事業開発に携わり、これまで「できない」と言われてたことが「できる」ことを実証してきました。しかし、農業現場や福祉現場の現状を知れば知るほど生産性や効率化よりもっと大切なことがあるのではないかと思うようになったといいます。

新型コロナウィルス感染症によって社会に変化が
衛生管理や品質管理レベルの高い商品づくりはもちろん大切ですが、福祉事業所の現場では歌いながら、ひとりごとを言いながら、揺れながら作業をする人たちがいました。「こうあるべき」といった常識がくつがえされることばかりです。客観的なものさしで事業や商品の良し悪しははかられたくさん売れることがよしとされがちですが、主観的なものさしを大切にしてもいいのではないかと思わされるようになりました。自分たちが幸せを感じられるペースだったりボリュームだったり・・・。新型コロナウィルス感染症で経済の動きがとまり、働き方が変わりました。コロナ前にもやもやと感じていたことがコロナ禍ではっきりと、誰かのためだけじゃなく、自分たちのために、自分のために、主観を大切にしていこう。そして、みんなが等しくプレイヤーとなって自分たちの生き方働き方をつくっていく時代だと確信しました。

新しい時代の産消提携への挑戦
有機農業のこれまで歴史の中にはヒントがたくさんあると感じています。その中のひとつに「提携」という消費者と生産者が、単なる「商品」の産地直送や売り買いではなく、人と人との友好的なつながりを築くなかで進める生産と消費の形態があります。これまでの実践の延長として新しい時代の「提携」をつくろう。都市部のレストラン、パティスリー、ブーランジェリと、農村部の丹波栗の生産者をORGANIC HOUSEがつなぎ提携の第一歩がふみだされました。農村部の現状を都市部が知ることで生産者を支える完全予約購入の実現、また、都市部の現状を知ることで農村部での栗皮剥き加工や包装、物流の課題がみえ、検証と改善案ができました。第一歩の成果として丹波栗をつかったケーキやパンなど新しい商品が生まれ世にでました。来シーズンは参画者たちの対話を模索しお互いさまの「提携」に育てていきたいと思っています。2023年ようやく活動を再開していきます。